届かないクラウドファンディング Advent Calendar 2018 四日目は、CST-01です。
こんなのです
"The World's Thinnest Watch"、「世界最薄の時計」という触れ込みでローンチされた「CST-01」というプロダクトです。価格は129米ドル、お届け時期は当初2013年9月の予定でした。
E-inkスクリーンと極薄バッテリーを使い、防水で、しかもバッテリーの持ちもいい。
2013年1月9日がKickstarterでのローンチ日で、どれくらいの時期かというとPebbleのKickstarterでのローンチが2012月4月11日でした。
CST-01はおよそ一ヶ月半後の2013年2月23日、最終的に約一億円を集めて成立しました。
私自身、実はPebbleも支援していたのですが、まあ見た目がとにかくかっこよくて未来的だったので支援してしまいました。
当初使おうとしていたバッテリが使えなくなり、まず2014年2月に延期。その後も課題が次々と見つかり延期が続きます。
原因は基本的にそのスペックでした。 この薄い形状にいろいろ詰め込まなきゃなので、そりゃあ各部品は精度が求められるし組み立ても難しくなるよね、ってことです。
開発は少しずつ進み2015年2月、一部の支援者に向けて完成品が発送されたようです。
しかし続く2015年4月のアップデートで、予定していた生産数と現実に大きな隔たりがあることが伝えられます。当初は一週間に1000-2000台生産される予定だったようですが、現実には週あたり200台、しかも完全に動作するものはここ二週間で130台しかできていないというのです。
2015年5月のアップデートでは、上記不良品率の高さが原因で追加で120万米ドルの資金が必要になることが伝えられています。
そして2015年6月のアップデートで、当時の製造業者との契約を解消し資金を含めた新しい提携先を探し始めたことが伝えられます。
しかし、その後アップデートは途絶えます。
2016年5月、アップデートで破産が通知される。
2017年5月、破産手続きの完了?が通知される。
製品は届かなかったけど、待ってるうちにPebbleが届いたりAndroid Wear端末を買ったり、といろいろこちらの状況も変わったので別にいいかな…という感じでした。
あとこれクラウドファンディング全体に言える気もしますが、アップデートを読んでるだけでいろいろドラマがあっておもしろかった。コメントで発狂してる人も結構いたけど、開発者側は不誠実な感じではなく頑張っている風だったので、言い方は悪いけど最後まで楽しめました。
クラウドファンディングは夢を買っているので遅れても届かなくても暖かく見守りたい…と自分に言い聞かせつつ終わります。